FX業者を選ぶ基準として、スプレッドの狭さや約定力の大きさなどがあります。
しかし、どんなにスプレッド値が小さくて約定率が高くても、スリッページが発生しやすいFX業者では利益を上げることができません。
では、スリッページの少ない業者か見分ける方法はあるのでしょうか?
この記事では、海外FXでスリッページの少ないオススメ業者を5つにまとめて紹介し、合わせてスリッページの仕組みや注意点、業者の選び方などを徹底解説します。
FXにおけるスリッページとは
FX取引を行う中で、「スリッページ」という言葉を耳にすることがあると思います。
しかし、FX初心者の多くはそもそも、スリッページの意味が分からないという人が多いでしょう。
まず、FXにおけるスリッページとはどういったものなのか、詳しく解説します。
スリッページは注文レートと約定したレートとの差を指す
英語では「slippage」と表記され、日本語に直訳すると「滑り」や「ずれ」を意味します。
FXの各注文には証券会社が間に挟まっているため、各社の注文を通すスピードに差が発生します。
注文が重なると「A社」「B社」同時に「105.35円」で買ったにもかかわらず、実際に反映されるレートが「A社=105.35円」「B社=105.38円」といった「ズレ」になるケースがあるのです。
レートが乱高下するタイミングでスリッページは発生しやすい
レートの差を意味するスリッページですが、レートが乱高下するタイミングで発生しやすいとされています。
そのためスリッページが頻繁に起こってしまうと、トレーダーにとって不利になってしまいます。
FX業者によってスリッページの起こりやすさに差がある
スリッページの起こりやすさは、FX業者によって差があります。
しかしスリッページは、どれくらい滑るのかよく分からないという厄介な特徴があるため、実際にトレードしながら感覚的に判断する能力が必要です。
ただ海外FX業者の中には、スリッページを公表しているサイトもあります。
また、日本人トレーダーに人気がある海外FX業者は、スリッページが起こりにくく人気が高い傾向です。
海外FX業者を選ぶ際には、スリッページの起こりやすさにも着目してみてください。
スリッページが発生する主な2つのケース
スリッページが発生する原因として、主に2つのケースが考えられます。
- レートの急な変動にサーバーが追いつかないケース
- FX業者が意図的にスリッページを起こすケース
スリッページが起こる原因について理解を深めて、損失を出さないようにしましょう。
①レートの急な変動にサーバーが追いつかないケース
まず、レートの急な変動にサーバーが追いつかないケースが考えられます。
ではなぜ急にサーバーが変動すると、レートが追いつかなくなるのでしょうか?
経済指標の発表前後はレートが変動しやすい
経済指標の発表後は、レートが変動しやすくなっています。
そのため、注文と決済のわずかな時間差が原因で値動きが大きくなると、スリッページが発生しやすくなるのです。
レートの動きが大きい通貨ペアには注意
レートの動きが大きい通貨ペアには注意が必要です。
「通貨ペア」とは、FX取引で売買する通貨の組み合わせのことを意味します。
この通貨ペアの動きが大きいと値動きが激しくなるため、スリッページが起こりやすくなるのです。
②FX業者が意図的にスリッページを起こすケース
スリッページが起きる原因として、FX業者が意図的に操作していることも考えられます。
では、なぜFX業者が意図的にスリッページを起こすのでしょうか?
相対取引を導入している国内FX業者に多い
FX業者が意図的にスリッページを起こすケースは、相対取引を導入している国内FX業者に多いです。
相対取引を導入しているFX業者の場合、トレーダーの損失を回収するために、わざとスリッページを起こすことがあります。
そのため、海外FX業者が意図的にスリッページを起こすケースは考えられません。
しかし、相対取引を導入している海外FX業者なら、同じ理由でスリッページを起こす場合もあります。
スリッページに関する3つの注意点
スリッページに関する注意点として、次の3つが挙げられます。
- スリッページを考慮しないとトレードコストを見誤る
- 業者によってスリッページの発生しやすさは異なる
- スリッページは「どれくらい滑るか」の想定が難しい
1つずつ解説をしていきます。
①スリッページを考慮しないとトレードコストを見誤る
FXは何度もトレードを行うため、FX業者が公表しているスプレッドで判断してしまいがちです。
しかし、スリッページを考慮しないとトレードコストを見誤ってしまうこともあります。
トレードコストは、FX業者が公表しているスプレッドとスリッページを合わせて算出されています。
そのため公表されているスプレッドがいくら狭くても、スリッページが発生しやすいFX業者ではトレードコストが上がってしまうので注意が必要です。
関連記事

②業者によってスリッページの発生しやすさは異なる
スリッページはFX業者にとって発生のしやすさが異なります。
スプレッドの狭さを宣伝しているFX業者でも、スリッページでレートの差が生じればスプレッドが広いことと変わりません。
そのため損失を出さないために、少しでもスリッページが起こりにくい業者を選ぶことが大切なのです。
③スリッページは「どれくらい滑るか」の想定が難しい
スリッページの難点は、「どれくらい滑るか」という想定が難しいということです。
スプレッドであれば、実際の平均値を算出することが可能です。
しかしスリッページの場合、「どれくらい滑るのか」をトレーダーが掴むことはできません。
そのためスリッページの「どれくらい滑るか」の判断は、実際にトレードを行いながら体感的に見極める必要があるのです。
スリッページの少ないFX業者を選ぶ3つのポイント
続いて、スリッページの少ないFX業者を選ぶポイントを3つにまとめて解説します。
- 「DD(OTC)方式」でなく「NDD方式」の業者を選ぶ
- 約定率の高い業者を選ぶ
- 「FOREX BROKERZ」のデータを参考にする
これから解説する3つのポイントを参考に、スリッページの少ないFX業者か判断して選ぶようにしましょう。
「DD(OTC)方式」でなく「NDD方式」の業者を選ぶ
スリッページが少ないFX業者が判断する基準として、「DD(OTC)方式」でなく「NDD方式」を利用しているかがあります。
DD(OTC)方式とは、インターバンクとトレーダーの間にディーラーが入る取引方式のことです。
トレーダーが負けた分FX業者が損失を回収する仕組みになっています。
そのためFX業者は利益のために、わざとスリッページを起こすことがあるのです。
対して、NDD方式は、トレーダーが注文した通りに売買が行われる取引方式です。
DD(OTC)方式のように、トレーダー損失を出した分儲かるわけではないので、利益を出すためには取引量を増やす必要があります。
そのためNDD方式は、DD(OTC)方式を利用しているFX業者のような利益競争がないので、意図的なスリッページが発生しないと判断できるのです。
関連記事

約定率の高い業者を選ぶ
約定率が高いFX業者を選ぶのも、スリッページが発生しにくい業者の基準になります。
約定率とは、注文したレートに対してどれだけ正確にレートが約定するかという値を、確率で示しています。
つまり、注文レートと約定レートが等しいほど、約定率が高いと言えるのです。
約定率が高いFX業者は、注文レートと約定レートの差が発生しにくいと判断することができます。
そのため、スリッページが起こりにくい業者を選ぶ際は、FX業者の約定率を確認してみてるといいでしょう。
関連記事

「FOREX BROKERZ」のデータを参考にする
スリッページが発生しにくいFX業者を探している方は、「FOREX BROKERZ」のデータを参考にするというのもひとつの手段です。
FOREX BROKERZは海外FX業者をまとめているサイトで、膨大なデータを元にスリッページの平均値を公表しています。
定期的にスリッページのデータが変動しているので、かなり信用性が高い数字と認識していいでしょう。
FOREX BROKERZは海外サイトなので、海外FX業者のデータを主に公表しています。
中には日本市場に進出している海外FX業者のデータもあるので、参考にしてみることをおすすめします。
海外FXでスリッページの少ないオススメ業者5選
ここからは、海外FX業者でスリッページの少ない業者を5つにまとめてご紹介します。
- XM(エックスエム)
- LANDFX(ランドFX)
- Axiory(アキシオリー)
- TitanFX(タイタンFX)
- GEMFOREX(ゲムフォレックス)
どの海外FX業者も日本国内で人気が高いので、安心して利用することができますよ。
XM/XMtrading(エックスエム)
日本国内でもトップクラスの人気を誇る海外FX業者のXM(エックスエム)。
XM(エックスエム)の最大の魅力は、最大レバレッジ888倍という高い数値です。
また約定率が99.92%なので、スリッページが起こりにくいFX業者として定評があります。
最近では「XM Zero口座」という超低スプレッド口座を開設したので、気になる方はチェックしてみるといいでしょう。

LANDFX(ランドFX)
LANDFX(ランドFX)は、スプレッドの狭さに定評がある海外FX業者です。
「米ドル/円(pips)0.80」「ユーロ/円(pips)1.50」と、ほかのFX業者を利用しているトレーダーも驚くようなスプレッドの数値を出しています。
約定率も98.22%と安定しているため、初心者はもちろん上級者でも利用しやすいと人気があります。
Axiory(アキシオリー)
低スプレッドで安定したサービスを展開しているAxiory(アキシオリー)。
インターバンク直結で取引を行っているので、約定力が99.84%と非常に高いです。
またAxiory(アキシオリー)はほぼ全ての情報をサイトで公開しているので、信用性が高い海外FX業者と言えるでしょう。
TitanFX(タイタンFX)
TitanFX(タイタンFX)は、業界でもトップクラスの狭いスプレッドを誇っています。
TitanFXのブレード口座では、スプレッド値が0pips〜とかなり狭い設定になっています。
また、約定率が99.999%と、かなり確実性を持った数字を保持しているため、スリッページの心配がほぼ無いといってもいいでしょう。

GEMFOREX(ゲムフォレックス)
GEM GROUP社が運営している海外FX業者の例えばGEMFOREX(ゲムフォレックス)。
GEMFOREXでは、無料で使えるEAが豊富にあるため、システムトレード派のユーザーに定評があります。

まとめ:スリッページの発生を前提にしたFX取引を徹底しよう
どんなにスプレッドが狭かったり約定率が高いFX業者でも、スリッページはいつ発生してもおかしくない現象です。
そのためFX取引をする際は、スリッページの発生を前提にトレードを行うことが大切です。
思わぬ損失を出さないためにも、スリッページに関しては常に念頭に置いておくようにしましょう。
コメント